崩壊!徳島県の教育レベル
学歴による就職格差の実態!

かつて徳島県は有数の教育立県のはずでした。全国一の通塾率も有名であり、また旧城南高校は東大合格者20名以上を出し、ランキングで20位以内、京大合格者30名以上を出しランキングでも10位以内を占めるなど、極めて上昇志向が強く、沢山の逸材を世に送り出してきました。しかしこの説明をする時、「かつて」という言葉を使用せざるを得ない状況に陥っているのが現状であるといわざるを得ません。毎年のように施行されるセンター試験でも、全教科型の平均点で都道府県ランキングの42位まで凋落してしまいました。昔から良く聞かされていたことは「四国では高知(失礼!)が一番低い」ということでした。しかし県別平均点で、高知はなんと全国22位に上昇してきたのです。40位近くに甘んじていた高知の上昇ぶりを見るとき、知事としての橋本氏の熱意がうかがえると思います。すなわち知事、教育長が一丸となって押し上げてきたと思われるからです。知事の姿勢が異なれば、こんなにも違ってくるものなのでしょうか。

話を徳島のことに戻しましょう。なぜ有数の教育レベルを誇った徳島県が42位という四国ダントツ最下位(これは過言ではない!)まで転落したのでしょうか。徳島で私教育に携わる者として一言で言わせていただければ「中・高を問わず勉強しなくなった」ということに尽きると思います。

それではなぜ勉強しなくなったのでしょうか?

それはまず総合選抜制という超ゆとりの入試制度のもと、切磋琢磨しなくてもどこかの高校へ行けるという雰囲気が定着してきたことが第一の要因として挙げられます。

しかし今総合選抜制はなくなり前期・後期制という独自の入試システムになりました。それでも学力の低下は続いています。それはなぜでしょうか?

ご存知の通り、中四国、関西の私立大学は学部によっては定員割れが続出するようになりました。

そこでこれらの大学は正規募集では集まらないことへの危惧から、各高校に指定校、一般推薦、AO方式等を通してPRをし、現役生を青田買いする方式を選びました。それは結果として早く受験の苦痛から解放されたい生徒さんの心をくすぐり、大量の推薦合格を出すようになりました。これが第二の要因です。なぜなら「そんなにまで苦労しなくても、そこそこの大学なら行ける」という安易なムード作りに一役買ってしまったからです。

しかし、重要なことは「果たして本当にその大学のその学部が自分の適性に合致しているか」という疑問点を見落としている点です。具体的な大学名を挙げるわけにはいきませんが、関西系で少しは名の通った私学が「推薦で行けますよ」という甘言で誘う学科を見て下さい。大抵「国際〜科」「環境〜科」「〜情報科」「〜社会科」「総合〜科」「〜政策科」という名前がついていませんか?これらの学部は「国際環情社会」と総称します。環は環境、情は情報です。大学は名が通っているとしても、その大学には歴史と伝統がある看板学部があります。果たして就職の求人は有名学部・学科と同じようにあるのでしょうか。

答えは完全にノーです。むしろ実際四年後にその落差と悲哀を痛感することになります。大学が推薦で青田買いに出る学部・学科は、大抵新設で就職実績もないか、一般入試をしても集まりが悪く、地元京阪神では実態を見破られて敬遠されている学部・学科が極めて多いのが現実なのです。
指定校推薦入学者に対しては、就職求人の対象からはずす企業も現れ始めました。事実としてほとんどがその大学で人気のない学部であり、企業も就職に際しては、厳しく「学部指定」をしてくるのが現状である以上、納得できるニュースです。これからもこの傾向は加速すると思われます。

ところが地方ではまだその大学名だけにとりつかれてしまう生徒さんが沢山います。ここ徳島もその傾向大なるものがあります。従ってセンター試験前に合格を決めて勉強しなくなる生徒さんが多くなるという訳です。

第三の要因としては中・高私学があまりに少ないということです。

徳島での進学実績をあげている私学といえば徳島文理と生光学園の特進クラスだけであり、文理は以前東大理三を2名輩出した実績もありますが、香川や高知、愛媛と比較してもあまりに私学の数が少なく、いわゆるお受験熱が低いのも実情なのです。

それではどうしたらこの県の学力レベルが上がり生徒さんが熱心になるのでしょうか。

それはまず他府県との学力差の実態や推薦入試の表裏を知ることであると思われます。四国四県で学力最下位を低迷し、生徒さんは安易な妥協で行ける大学へ行き、決して行きたい大学のために努力をしない。この風潮を是正しない限り、いつまでも四国四県で学力最下位の定位置から抜け出すことはないでしょう。

以下平成15年〜19年に至る徳島大医・歯・薬学部の県内生占有率を掲示しておきます。数字が全てを物語っています。

徳島大学医・歯・薬学部県内合格者占有率

一般入試全体

学部

年度

募集人員

県内入学者

人数

占有率

医(医)

H15

H16

H17

H18

H19

80

80

80

75

75

20

22

18

18

16

25.0

27.8

23.1

24.0

21.6

医(栄養)

H15

H16

H17

H18

H19

40

40

40

35

35

6

12

14

8

7

15.0

30.0

33.3

22.2

20.6

医(保健)

H15

H16

H17

H18

H19

100

100

100

102

94

25

28

25

31

23

24.8

27.7

21.9

29.0

24.2

H15

H16

H17

H18

H19

40

40

40

40

30

4

6

4

5

6

9.1

15.0

10.0

12.5

20.0

H15

H16

H17

H18

H19

70

70

70

70

70

8

9

6

8

7

11.8

11.1

6.5

10.7

9.1

※占有率は合格者割増率等も考慮して計算されています。

上記の表を見てもおわかりの通り、医歯薬はほとんど県外勢です。ただ唯一の救いは医学部がこの人数以外に20人推薦で採用してくれることです。この推薦がなかったら県下の受験生が医学部へ入学するのは至難の業なのです。

ここまで下がってしまった徳島の学力を見るとき、暗澹たる思いに駆られるのは私達受験業界に身を置く者達だけなのでしょうか。


公立中心の横並び方針が崩壊しつつある現在、かつて東大合格者数日本一を誇った日比谷高校の進学実績を見てみましょう。
ご存知の通り東京は学校群制度という入試に切り換え日比谷は壊滅的な崩落状態になりました。

東大合格者数の推移がこれを如実に示しています。

1965年 1968年 1973年 1978年 1988年 1993年 1998年
181名 131名 29名 14名 10名 1名 2名

このように衰退を重ねてきました。

しかし都知事が重点校として力を入れた結果、日比谷に名門復活の兆しが見えつつあります。21世紀に入り

2001年 2002年 2003年 2005年 2006年 2007年
3名 4名 5名 14名 12名 28名

と躍進が始まりました。

日比谷高校のホームページの「進路指導について」を見ると、この学校の強い決意がうかがえます。

長い間の総選制というゆとりの入試形式の下で、子供達もよほど自分が意識しなければ意欲的に勉強に取り掛からない状態が続いたことが、この現実を作り出したと言えるでしょう。人材を出さなくなった県が衰退するのは目に見えています。現に徳島県出身で公務員の国家試験や司法試験等の資格試験に合格する人の数も四国で最下位であると聞いています。四国が道州制に呑みこまれるかも知れないこの時代に、徳島から人材を送り出すことは極めて重要です。

歴史的に考えても、徳島は吉野川の治水対策に沢山の県予算を投入してきました。そのために道路及び社会資本の遅れは否定できない状況です。道州制導入で、この吉野川の水も四国共通のものとして扱われていくことでしょう。道州制導入が具体化しつつある時、中央に声を届ける徳島の人材がほとんどいないということは誠にさびしい限りです。

全般的な入試レベルの低下、及び特に本県における凋落ぶりの現実を直視する時、この一因となっている私学の現況に触れざるを得ません。関東の早稲田、慶応、上智ランクと関西の関関同立では、就職実績に於いても国家試験レベルに於いても、もはや月とスッポンぐらいの開きになってしまいました。安直な安売り商品を乱発するかの如く、推薦入試で青田買いに狂奔する関西私学と、一線を矜持する早慶ランクとの差は年々拡がるばかりです。


今話題となっているロースクールも、東大、京大は別ですが、私学で生き残るロースクールは早稲田、慶応、上智、中央、創価ぐらいであると言われています。文部科学省の無責任な認可主義は法務省との食い違いを生じ、関西系のロースクールは生き残るか否かの段階まで来ていると言えます。


●企業役員輩出の上位15大学・学部は次の通りです。

順位 大学・学部名 人数
1 慶應大・経済学部 591
2 東京大・法学部 412
3 慶應大・法学部 409
4 慶應大・商学部 303
5 早稲田大・政経学部 296
6 早稲田大・商学部 291
7 東京大・経済学部 261
8 早稲田大・法学部 232
9 東京大・工学部 223
10 早稲田大・理工学部 211
11 中央大・法学部 186
12 京都大・経済学部 160
13 京都大・法学部 152
14 明治大・商学部 141
15 京都大・工学部 139

次いで出身大学の年収上位大学を挙げてみました。

●出身大学別年収BEST10

順位 大学名 平均年収(万円)
1 東京大 843
2 一橋大 841
3 慶應大 828
4 京都大 812
5 上智大 807
6 早稲田大 806
7 神戸大 789
8 大阪大 785
9 北海道大 775
10 東北大 774

勝ち組・負け組という言葉は必ずしもいい意味だけを含んでいるとは思えませんが、現実はこんなものかもしれません。結局、安易な入試で安易な選択をすれば、生徒さんには厳しい現実が待っていると言わざるを得ません。
要するに、社会に出ての評価も、一流国立大と早慶の特定学部の独壇場と言えるかもしれません。関西私学は一体どこへ行ったのでしょうか?

はっきり言えることは、関関同立はもはや同じランクではないということです。同志社が頭一つ抜け出し、次いで関関そしてブランド価値をずぅーっと下げて立命ということでしょうか。これらの大学に共通することは安易な入試方法の乱発(特に立命)で、ともかく人員を確保し、残った枠で入試を行い、いかにも難易度が高そうに見せかけているということです。少子化で募集に躍起になっているということでしょうか。いわんやそのランク下の産近甲龍に至ってはもう定員の枠を埋めるのがやっとという学部もあります。その結果就職においても関東に差をつけられているということでしょう。

東京一極集中化の流れの中で、早慶上智ランクと同志社、水があいて関関さらに立命の生徒の質と格差は広がるばかりです。これらの大学の広報は必ず就職100%とか宣伝します。しかし一体何人の生徒さんが2部上場企業以上に就職しているというのでしょう。就職企業数は出ていても母集団の数の膨大さの中ではほんの限られた一部でしかないと言えましょう。

国公立の何倍もの定員を私立は抱えています。その中ではほんの一部の生徒さんしか一流企業へ就職していないと言っても過言ではないでしょう。

生臭い就職の話になりましたが、企業は現実に大学の学部・学科・合格者の入試形態によって区別しても良いのでしょうか。これに対し大部分の大手企業の担当者は、建前では否定しても本音では肯定しているようです。どんな大学・学部へ行っても、中で努力をすれば報われると考えるのが普通ですが、人材を確保したい企業としては、いちいちそんな調査をして選別するよりも、名の通った難関大学へ大量の求人を出した方が手っ取り早いのかも知れません。基本的人権の中で最も重いとされる思想信条の自由と企業の論理の衝突に関しても、最高裁は三菱樹脂事件の大法廷の判決で、『憲法は、思想、信条の自由や法の下の平等と同時に、二二条、二九条等において、財産権の行使、営業その他広く経済活動の自由をも基本的人権として保障している。それゆえ、企業者は、かのような経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業のため労働者を雇傭するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、……原則として自由にこれを決定することができるのであって、企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえをもって雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法と」したり、直ちに民法上の不法行為とすることはできない。従って「企業者が、労働者の採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査し、そのためその者からこれに関連する事項についての申告を求めることも」違法ではない。』と判旨しました。従って学歴や出身大学の学部・学科・入試のときに選んだ入学方法等によって、企業が公然と区別をしても裁判にさえならないと言えるでしょう。

関西系私学と関東の私学の差は年々拡がっています。関関同立の中で、もはや辛うじてその地位を保っているのは同志社だけと言っても過言ではありません。早・慶・上智・ICU・中央ランクと関関同立は就職においても、国家試験においても大きく水が開いてきました。東京・名古屋地区と関西の経済的落差そのものを象徴しているようです。

AO入試、推薦入試、ありとあらゆる形態で、自分の大学の名前が生きている間に、必死になって生徒獲得を目指す関西系私学の行く先はもう見えていると思われます。それより先に中四国の私立大はほとんどが欠員となり、経営の存続も危惧されつつあります。中四国私大の薬学部は雪崩を打ったように定員割れが続出しました。

話は徳島の教育レベルの崩壊から少しそれましたが、就職状況も何も調べずに、昔の残存ブランド価値を求めてAOだ推薦だと飛びついていく生徒さんが少々気の毒な気もします。

本題を徳島の教育レベルの崩壊についての話に戻しましょう。このレポートを読まれた方から連絡があり、かつての徳島の実績は果たしてそんなによかったのか?具体的な数字を挙げてくれるまであまり信じられない。総選制で進学実績が下がったとは聞くが、そこまで落差があるのか?という質問(詰問?)をうけました。
そこで昭和47年、48年の城南高校の進学実績を挙げておきます。
断っておきますが、これは城南一校だけの実績であり全県下の合計ではありません。

大学名 昭47 昭48 大学名 昭47 昭48 大学名 昭47 昭48
徳島大(医) 32 47 名古屋大 5 2 東京外語大 1 1
徳島大(薬) 4 7 京都大 36 30 静岡大 10 5
徳島大(工) 44 30 大阪大 21 22 名古屋工大 3 5
お茶の水大 5 2 神戸大 10 10 慶應義塾大 33 21
東京大 18 18 岡山大 7 3 津田塾大 15 11
東京工大 1 0 広島大 10 4 東京女子大 12 7
一橋大 1 6 九州大 2 1 早稲田大 36 41


今大阪大の経済・法科と慶應の経済・法科の両方を通ったら、ほとんど慶應に行くという話を某予備校から聞きました。
神戸大の経済と慶應の経済でも、慶應の経済を選ぶ人が多いようです。
明治大と、地方国立大では、やはり就職は明治大に軍配が上がるようです。
つまり関西系の企業でさえ本社をほとんど東京に置いており、完全な一極集中化が見られます。格差は想像以上に拡大しています。中四国の地方大学の求人情況は極めて厳しいものがあります。つまり中四国の大学は就職に大きなハンデを背負っていると言ってよいでしょう。就職活動は、東京中心にならざるを得ず、一人当たり70万〜100万位の費用が必要と言われています。
従って中四国の国公立はだんだん入試も易化しています。国公立の数だけで競い合うとしたら、中四国の国公立へ大量に入学する学校が目立ってくるわけです。旧帝大系に行く生徒が少なくとも、ブランド価値のない地方国公立へ何十名も推薦を含めて入学すれば国公立実績だけは出てきます。そして名ばかりの国公立へ行き、就職に苦労して、結局は東京の私大にも及ばないという話も沢山出てくるようになりました。
関西の公立高校においても東京に目を向ける生徒さんが増加しつつあるのはやはり就職、国家試験とも関東の独走状態にあるという現実を直視しているからでしょうか。

最近のエコノミスト誌(発行:毎日新聞社)の記事を見ていても就職の差は大学によって歴然としています。

有力410社÷卒業生数=大手企業就職率

例えば、東工大、東大、慶大は50〜40%台
京大、阪大、名古屋大、神戸大、早稲田大、明治大は30%台
なのに比べ、四国の大学で比較的就職力のある徳島大でも9%と大きな開きが出ています。ちなみに岡山大ランクでも12%位です。大手企業だけが就職対象でなければ、就職はほぼどの大学もありますが、売り手市場といわれる就職戦線も一皮むけば内容の違いが大学によって歴然としてくるわけです。しかも、学生さんが大手企業を志向する傾向は特に強まっており、地方の国公立大の文系はかなり見捨てられつつあるといっても過言ではないでしょう。
徳島県の場合、国公立大合格の数は出ていても中身はとなると四国四県で最下位であることは否めません。
総選制を廃止しても前後期制入試を続け後期でほぼ全入できるシステムをとる限り、上昇志向はなかなか出てこないというのが実情でしょうか?従って大学入試も、ともかく国公立であれば良いというくらいが精一杯で、その先を考えない傾向にあるようです。
公表は控えますが、進研や全統の高1・高2実力テストのデータを見ても、偏差80以上の生徒さんを2ケタ抱えている学校は2校、75以上で4校(含む私立高校)しかありません。
高1・高2レベルの全国模試で75以上なければ旧帝大や早稲田・慶応の看板学部へはとても無理でしょう。従って中四国(せいぜい岡山大か広島大)の国公立へ殺到するわけです。
参考として平成19年度の高校別現役進学状況を掲載しておきます。





















西



東京大 4 0 0 1 0 0 5 0 0 1
一橋大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
東京工大 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0
名古屋大 0 1 0 5 0 0 1 1 1 2
京都大 1 1 1 3 2 0 2 1 1 0
大阪大 2 4 2 6 1 0 7 3 2 5
神戸大 2 4 4 6 1 3 6 3 2 2
徳島大・医 4 2 1 1 2 1 7 0 2
早稲田大 9 2 5 7 1 5 12 2 1 2
慶應大 1 0 2 4 1 1 8 2 0 3

9月8日付の徳島新聞に国公立大進学者1271名と出ていました。上記名門大学に進学した徳島県の総数を考えると一体どこへ進学しているのでしょうか。ほとんど徳島大中心の四国の各大学へ進学しているのが実態です。香川県や愛媛県、高知県と比べると誠に落胆の至りと言えましょう。

文系の学部の就職の厳しさについて、もう少し触れてみましょう。かなり調査をしたつもりの前提に立って中四国国公立文系学部の就職状況を見てみると、相当厳しい結果に驚かされます。
まず私学は圧倒的に関東の勝ちですが、はっきり言って国公立文系卒で民間に就職を求める場合、やはり神戸、阪大ラインより上でなければ有力企業は難しいようです。
この現象は理系との比較を見るとよく分かります。理系は地方国公立でもかなり就職は見込まれますが、文系はそうは行かないようです。
今日本の企業ではだんだんOA化、パソコンによる事務が進展しており、文系は
不要化しているのです。ここに企業が理系卒業生(ほとんど大学院卒対象)には売り手市場として対応し、文系には、建前はともかく本音として厳しい学歴偏重をとる原点が見られます。企業が、表向きどんなに否定しても、面接点の底上げ等でブランド大学を厚遇しているのは明らかです。一部上場会社の担当者から聞いたことですが、入試のときも楽をして大学在学中も楽をして、就職の時だけ「差別をするな」等をいうことは寝言に等しいと言われました。社会的正義等という言葉まで飛び出す始末です。これがホンネでしょうか。
文系の就職はなぜ関東一辺倒化するかと言うと関東の学校は教授にコネがあり、それが地方の大学とは比べ物にならないくらい強い面があるということです。例えばA先生のゼミに入っておればそこの卒業生OBやA先生の持つコネクションから引きが入ることが多々あります。
かわいそうな位、地方の国公立文系にはそれが乏しいようです。
ずばり言いますと、早慶はともかくmarch(明治大・青山大・立教大・中央大)やひょっとして日東駒専(日大・東洋大・駒沢大・専修大)ランクまで中四国の国公立文系より就職優位と判断した方が良いのかもしれません。もはや時代はとことん東京一極化になっているようです。中四国の国立文系の就職惨状を見るにつけ、そう思わざるを得ません。

思い切って企業の採用実態を暴露してみましょう。
表向きはエントリーシートにより求人がスタートし、学歴を記入しなくても良いことになっていますが、大手企業はこんなエントリーシートなどほとんど見ていないのが真相です。大抵はリクルーター制を採り、一人ひとりの高学歴の生徒さんにアタックをかけてきます。エントリーシートの内容よりも学歴重視なのです。例えば東大生は個別に〜前で会うとか、早慶ランクは〜前とかで待ち合わせて、食事をするとかして、品定めをリクルーターが行っているのです。始めから雇い入れる大学と学部を限定していると言っても良いでしょう。
また、大学別の説明会も「〜大学生限定説明会」というタイトルで半ば公然と開かれています。OBによるピックアップもし、さらに抽選会までして、はじめから出来レースをいかにも公平なように見せかけるのに苦心しているところもあります。だからこそ一生のことを考えると高学歴を目指さなければならないはずなのですが・・・。
地方国公立文系へ行く生徒さんの中には、将来公務員になるからとか資格を取るとか言う人もいますが、まずほとんど夢に終わる人が多いのが現実です。公務員も枠が小さくなって来つつあり、資格もとったところで生計を立てるまでにどれほど苦労するかも分かっていないのでは?徳島から民間企業の大手へ行く人が少ないのも文系は特に地方国公立や中四国の私大に進学する人が多く、チャンスを奪われているからでしょうか?

こんなことを知った上で、文系志願者は進路を決めているのでしょうか?それとも国公立という名前だけの幻想で進路を決めているのでしょうか?

徳島県全体の風潮として、国公立大へ何名入学したかが優先され、4年後の就職などとても眼中に入っていないのかもしれません。ともかく前期は少々冒険しても、後期は予備校のデータをもとに、◎の所へ出願してそれ以降のことは考えていない生徒さんが多いようです。
国公立でさえあれば学費も安いし就職もあるという考えでしょうか。確かにどこでも良いのなら就職はあります。会社もピンからキリまであるからです。しかし京阪神エリアか徳島の安定した企業を求めるなら非常に厳しいと言わざるを得ません。

さらに四年後はもっと厳しいと思われます。大企業が事務関係をドーッと中国へ移転しようとしているからです。日本人1人で、中国人20人近くのパソコン事務を指導すれば足りるのです。給料も安い中国人を使用して、日本人の給与管理をしようとしているのです。さらに文系の就職は厳しくなってくることでしょう。

中四国の国公立大学の就職に光は差すのでしょうか?

この件で大学に問い合わせると、必ずと言っていい位「就職はあります」という答えが返ってきます。それではどの企業に何名行ったか詳細に報告して下さいと言うと、個人情報を盾にとって返事をしてきません。匿名である限り、こんなものが個人情報になる余地はないのです。(弁護士に確認済み)

信じられない対応振りに、逆にホンネを聞いた気持ちになります。「聞かないでくれ!」ということでしょうか。

今、全国的に予備校へ中四国国公立文系の生徒さんが通ってくるのが増加しています。以前は、理工系の学部の生徒さんが医学部をあきらめきれずに休学して再チャレンジする場合が多かったのですが、今は、国公立文系の生徒さんが国家試験、就職、全てに有利な関東系私学を目指してやり直しにかける傾向が増えているのはこの様な事情によるものでしょうか?

次のデータは公表されているものです。これによると徳島の難関大合格指数が46位とは!ただ絶句!

※旧帝大:北海道大・東北大・東京大・名古屋大・大阪大・京都大・九州大

残念ながら、この表から旧七帝大(北海道大・東北大・東京大・名古屋大・大阪大・京都大・九州大)への進学割合が、本県は極めて低いことがうかがえます。
なぜこれが深刻なことかと言うと、ほぼ道州制が決定されているからです。おそらく10年以内にやってくることでしょう。旧七帝大以外の地方国公立大は、整理統廃合されることが目に見えています。現に大学関係者も否定していません。
中央省庁の関係者に聞いても、今のままの地方大学の存続は、極めて厳しいということでした。生徒さんの行く国公立大、私大が永続するのでしょうか?
受験戦争をあおる意図は全くありませんが、あと4、5年後には、大学間の就職力の格差は大きく開くことでしょう。
こと文系に関する限り、満足度のある就職先を数多く提供しているのは旧七帝大+一橋大・神戸大+上智・早慶どまりだとほぼ断言できると思います。

この際現在のロースクールの現状を述べてみます。御存知の通り、新司法試験制度の施行で2〜3年以内に法曹資格取得者が毎年3000人に達しようとしています。一体司法研修所を出て就職があるのか?ということへの知識を正確に持つことが大切です。
この件に関して日弁連の先生、大手司法試験スクール等と接触し、本音を聞いてみました。
今年1500人の司法研修生のうち100人が職にあぶれました。この人達は来年も採用されることはないでしょう。どの事務所も過年度は嫌うからです。
旧司法試験は毎年合格者が400〜500人であり合格率は2〜3%という超難関でした。今はロースクールを出れば30%台の合格率が見込まれています。しかし、研修所を出て弁護士事務所へ就職できるか否かは、これからはっきり明暗が分かれてくることでしょう。
法曹にかかわる人達がはっきり言っていることは、「旧司法試験合格実績校、東大、京大、早稲田大、中央大、慶應大は先輩達の引きもあり断然有利である。それに新司法試験を通った合格順位(法務省が公開)で上の人達(500位くらいの人達)は就職できる。それ以外は極めて厳しい。」とのことでした。
関西系のロースクールや中四国の法律系学部出身者には非常に厳しい結果になる可能性があります。ロースクール入試は東大、京大、早・慶・中央ランクがダントツに難しく、関西系私学、中四国ロースクールは比較的易しいのが現状です。
戦後60年に渡って、司法試験合格者を輩出した上記五校は、在野法曹をほとんど占めています。このため関西系、中四国系は、ほとんど法曹界では勢力がありません。このためロースクール→司法研修所→弁護士事務所就職というステップの中で最後に職にあぶれる可能性が大きいというわけです。もっとも上記五校は生徒の勉強量がケタ違いであるという点もあり、合格順位の高位者が多いということもありますが・・・。
ともかく毎年出てくる新司法試験合格者のうち半数以上が職に就けない懸念はあります。ここでも学閥優先が顕著になっていると言えます。
ただ、注意しなければならないのは、法学部出身者は、民間就職という点では経済学部に比べて大きなハンデがあるということです。今年度の入試でも、中四国の法文系国公立は、入試も易化して、さほど苦労しなくても合格できそうですが、将来の出口のことだけは考えておくべきでしょう。やたら文系学部に対して悲観的な文章を並べていますが、実際どんどん文系の就職口は狭くなりつつあるのです。銀行すら文系採用を減らして理系を増やし始めています。

2008年度の入試は、完全に東高西低となりました。西の象徴である京都大学の凋落ぶりはひどいものがあります。関西の京大志向の受験私学もどうやら東大に顔を向け始めたようです。かつてノーベル物理学賞で、日本で唯一、単独受賞者の湯川、利根川博士を輩出した理学部は、まさに京大のシンボルでした。今や京大理学部は東大理Uより完全に下に位置づけられています。四国でも、愛光や土佐、済美平成などが完全に東大シフト化しつつあります。
早慶と同関関(立は論外?)の差が月とスッポン位開いてしまっている現状が、ついに東大と京大の差の拡大につながって来たのでしょうか。
京大の法・文・経・理・工の易化はしばらく続くのかもしれません。ついに国立も、一極集中と格差の時代に突入したのでしょうか。

今年度は、大学全入時代の幕開けです。しかるに、大手予備校へ行く生徒さんは、明らかに昨年度対比で増加しつつあります。定員割れした私学には、助成金のカットが待っています。中四国の私学は生き残れるのでしょうか。中四国の私立大の薬学部は、軒並み総崩れの状況のようです。推薦入試を受ける必要は全くないと言ってよいでしょう。
ただ今年は、徳島県の合格者にも明るい傾向が見られます。東大文Tへ6名も現役合格者を出したからです。本県からの人材輩出を願う者としては、少しほっとした気持ちにもなります。ともかく「妥協せずに行きたい所へ行く」という、隣県の香川県のような風潮が本県にも芽生えない限り、人材の輩出は難しいと思われるからです。

話は前後しますが、崩壊するロースクール制度について、補足説明を述べてみます。今、日弁連や大手司法試験予備校が懸念している弁護士の就職は、法学部から法曹を志す人々にとって大問題化しつつあります。定員がほとんどない旧司法試験の打ち切りとともに、ロースクール→新司法試験の合格者が急増し、2000名→3000名へと毎年上昇しています。この急増を支える就職口の狭さがクローズアップされようとしているのです。一言で言えば、ロースクールの成績や司法試験合格順位の極めて高い一部の人にしか求人はないといっても良いでしょう。司法試験を合格しても訴訟手続全般(例えば準備書面の作成)に渡り、実務経験は最低一年以上必要と言われています。未経験な弁護士に依頼者が来るはずもないからです。従って、どこかの法律事務所に勤めることが一本立ちへの道なのです。その道が断たれようとしているのです。これだけ合格者が増加すると、受け入れる法律事務所も限界に近くなっているからです。事実、日弁連も受け入れ先に全面協力を要請していますが、もうすでに今年度で限界を突破しているのが真相なのです。
従来は、合格者の400〜500名前後で毎年推移し、確実にどこかの法律事務所が受け入れてきました。しかし、もうその図式は崩壊しています。
法務省が打ち出したロースクール制度は、あまりにも先見の明に欠けていたと言わざるを得ません。アメリカ並みの弁護士の数を供給するという名目そのものに大きな誤算があったのです。
州ごとに法律も異なり、万事訴訟社会のアメリカと日本を同一視すること自体が間違っています。
日本の弁護士の収入は、確かに今まで恵まれた体制の上に成り立ってきました。戦後の混乱から経済大国へ駆け上がる過程で、相続を中心とする民事の争いは多発しました。弁護士の収入は、一例を挙げると次のようなものでした。
例えば、民事で一億円の争いが生じたとします。
依頼人→弁護士、という過程で、まず着手金が支払われます。ケース・バイ・ケースですが100万〜200万円位でしょう。そして勝った場合、着手金とは別に成功報酬が5%位支払われます。つまり、一億円の裁判で、500〜800万円位弁護士の報酬になっていたわけです。なお、負けても着手金は収入になっていました。
弁護士の収入で、会社の顧問収入というのもありますが、これは大体一社当たり3万〜5万円(月額)であり、大したものではありません。ただ、顧問をしていると、その会社で起こった裁判事件は一手に引き受けて、いい収入になる時もあります。従って、銀行や金融関係の顧問は、おいしい仕事になる場合が多いと言えます。
しかし、これも代々続いた古参の弁護士が独占しており、新規に入り込む余地などほとんどないのです。昔から代々続いた弁護士をしている人たちは、5〜10社位を独占しており、この顧問料で家賃を払うのが効率がよいと言われています。
昭和40年代〜平成10年位までは、弁護士の収入は、大手会社サラリーマンの約5〜10倍位あったと言っても過言ではありません。苦労しても司法試験合格を目指す原点はそこにあったのです。それが、弁護士の数が増え、訴訟物件の取り合いにまでなると、少人数の弁護士が分け合ってきた「うまみ」というものが減少してきました。
つまり、今は、弁護士間の競争が激化しているのです。
そこへ、このロースクール制度で大量に合格した法曹人口が流入すれば、結果はおのずと明らかでしょう。四国を見てみても、愛媛、香川100名以上、徳島、高知60名台の弁護士がいます。昭和40年代の倍になっているのです。これでも限界なのに「新司法試験合格者を受け入れろ」と言う方が無理でしょう。従来型司法試験の合格者はまだ比較的受け入れ先がありますが、新制度の合格者には厳しいものがあるようです。今、弁護士事務所で働いても、東京、大阪あたりで年収250万〜300万円位しかありません。物価の違いを考えると、四国四県の150万〜200万円ランクと見てよいでしょう。
しかし、まだそのような受け入れ先のある人は良いほうです。ともかく仕事を覚えたい、ただ働きでいい。」という人も増えています。札幌地区あたりでは無給の見習い弁護士も出現するようになりました。はっきり言って、公務員になる方が高い授業料(大体600万円前後)を払って、ロースクールを出て、弁護士になるよりはるかにいいと考える人も増加しています。現に地方公務員で、今年従来型司法試験に合格した人の話を聞きました。「今公務員で年収500万円位ある。弁護士になったところで、年収200〜300万円位でスタートして、毎年給料が上がる保証などない。だから司法研修所へは行かない。このまま公務員を続ける。」ということでした。
ロースクールも、前述した通り、完全に格差がつきました。中でも関西のロースクールは、これから存続しなくなるところも出てくることでしょう。
受験生の諸君に知って欲しいことは、法学部→ロースクール→弁護士という方程式が崩れてきていることなのです。端的に言って、弁護士目指して法学部へ行くなら、旧七帝大+早稲田大+慶應大+中央大+同志社大(関西私学は唯一ここだけ)位までに合格して法曹を志して欲しいと思います。
まかり間違っても、地方の国公立の法文系はやめたほうが良いと断言できます。それ位、この世界は勝ち組と負け組が明確になっているからです。

ロースクールについて、学校間格差(落差?)を述べましたが、前述したとおり、文系の生徒さんの就職力は、学歴により格段の差異があることは明白です。ロースクールについて中四国法文系のひどさは言うに及ばず、就職力も関東の学校と比較すると雲泥の差と言っても良いでしょう。単に国公立だからと言って喜んで入学し、出口の就職は高卒並みの会社しかないところが多いようです。それ以上に今深刻なのは、中四国の私立大の存続問題でしょう。エール出版社から出ている『危ない大学、消える大学』にもありますが、この消滅の可能性のある大学リスト上位に、かなりの数の中四国私立大が含まれています。少子化により、定員の70%を切る寸前の大学が続出しており、中には銀行から複数出向し、多額の私学振興財団からの借入金を受け、工事して建物ばかり作っている大学もあるようです。
この本は、受験生諸君にも警鐘を鳴らしているといえるでしょう。私立高校も私立大学も、もう生き残れるか否かの土壇場まで来ていると言っても過言ではありません。
人に勧められて入学しても、出口でつまづくようでは行く価値があると言えるのでしょうか。大卒としての職業に就けるのは、ほんの一握りの学生さんだけなのが実情のようです。ほとんどこのような知識も持たずに、入学できるからと言って、安直に国公立、私大を選ぶのは、本人にとっても不幸なことだと思われます。

断言できることは、中四国の国公立文系よりは関東私学が断然有利であるということです。人口も、東京、神奈川、埼玉、千葉に一極集中化しつつあります。よくある質問で、「東京に行きたいが、仕送り等を考えると関西私大や地方国公立大に比べて経費がかかる」という声を聞きます。しかし、思い切って関東へ行った方が、かえって楽かもしれません。断言は出来ませんが、文系の生徒さんなら、アルバイトする時間もたっぷり(?)あるはずです。東京と京阪神、中四国のアルバイト求人数を調べれば、こんな質問も解決できるかもしれません。はっきり言って、東京ではアルバイトで月5〜8万円くらいは楽に稼いでいる生徒さんもいます。
かえって松山や高松、岡山、松江、鳥取などで学生生活を送るよりよほど恵まれているかもしれません。
ともかく中四国の県立大、市立大や国立文系を志願する生徒さんは、よくよく就職状況を調べてから判断した方がよいようです。センター判定で「◎が出ているからここにしよう」などという考えは将来厳しい現実に直面することになります。
特に平成21年以降、文系の求人はぐんぐん狭くなってきます。とりあえずセンターの判定で◎か○の中四国の国公立の行ける大学に出願し、入学後、成績さえ良ければ、企業は必ず採用してくれる、等という論理はもはや通用していません。ますます拡がる格差社会そのもののように、求人も片寄った大学に殺到しているのです。危ない大学(エール出版社刊行)に記載されているように、「行きたくなかったら浪人を選べ」というのは決して極論ではありません。
徳島県の国公立大入学の数字は、空虚な実体を隠して伝えているだけなのでしょうか?

本県の高校生は部活を重視する傾向があります。ともかく、何でも部活を大義名分にして、夜遅くまで学校に残り、疲れて勉強もできない、という風潮に満ちています。部活は決して悪いことではありませんが、勉強をしないという傾向は困ったことです。結局指定校か、地元大学に推薦で行くか、センター後に必死の◎探しをする羽目になっているのが現実です。
隣県の香川県のように、少々浪人生活を耐えてでも一生のプラスを考えて就職の見込まれる大学を目指すという雰囲気がなかなか出てきません。
それはひとえに本県の高校生諸君が、大学学科による就職力の極端な相違というものをほとんど知らないからだと思われます。
もっとも、知られたら、地方の国公立大は困るのではと皮肉な考え方も浮かんできますが…。

公務員試験に関しても、中四国の国公立文系から一体何人通ってますか?
通ってもほとんどU種合格であり、将来性の見込めるT種など、ほとんどないのが実情です。大学の講座の内容が、およそ資格・国家試験の合格に必要なものとは乖離していると考えます。最初は勢い込んで入学しても、途中で大半の生徒さんが諦めるのは、やはり雰囲気が試験合格には程遠いからではないでしょうか。

参考文献 下流大学が日本を滅ぼす!(三浦 展 著、KKベストセラーズ刊)より

学歴社会はより強固になっている

もう一つ困った問題がある。インターネットの普及で、昔と比べて就職活動自体が違ったものになっている。せっせと経歴や志望動機を、一枚一枚書くのではなく、今や学生はメール1本でエントリーシートを送ってしまう。気になる企業にエントリーシートを一括送信できる機能もあるらしい。

昔はせいぜい10社程度にエントリーしたものだが、毎日コミュニケーションズの就職支援サイト「マイナビ」のモニターアンケートによれば、2009年卒では学生一人当たりの平均エントリー数は66.3件。それだけの応募があるものだから企業側も大変だ。人気企業にすれば、その数十倍のエントリーがあるのだろう。もちろん、応募者すべての書類選考することなど不可能だ。

「ネット就職時代になって決定的に変わったのは、情報の開示が公平になったことです。郵便時代はDMを送る時点で線引きをした。だけど今は、ターゲットでない学生までエントリーしてくるようになっている」

つまり、ネット就活時代に入り、これまで大学生に期待した能力のない大学の学生からも応募を送られてきているということだ。そこでもちろん、企業サイドは学歴、偏差値で線引きする。偏差値ほどわかりやすいモノサシはないからだ。

そのため、ある一定のレベル以下の大学からのエントリーを、自動的にネット上で受け付けないシステムをとっている企業すらあるらしい。もっとも、そうしたシステムを用意せずとも第一次選考は学歴順に切られていく。学歴不問採用を掲げる企業も多くなっているのだが、実はネット就活時代に入り、学歴社会はより強固なものになっているといえるのだ。

深刻な不況がやってきました。この影響で、ついに理系まで、就職難が直撃しています。地元の徳島大も工学部はそこそこ就職力はありますが、総合科学部は極めて厳しい状況になっています。
ここまでは今までも変わらない図式ですが、地方の国公立大(特に公立大)の理系もこの波をかぶりつつあります。
恐らく来年度の大卒は、理系においても、大学によってかなりの落差を生じてくるでしょう。このレポートを提示するにあたり、東京や大阪の、この方面に明るい人物(例えば大手、中堅のメーカーの人事担当のトップ)、機関から情報を得てきました。企業求人は、来年度はかなり落ち込み、これが3年位続くであろうとのことでした。
上記の三浦展氏の説は、誇張どころか、実際は、もっとひどいやり方で企業が学校選別をしているようです。どの企業も大学・学部の偏差表を手に入れているといっても過言でないでしょう。地方大学へ行っても理工系ならそこそこ就職はあるという考えはいかがなものでしょうか。ただ地元の徳島大の工学部は、地方大学としてはいいほうかもしれません。それは本県にとって救いとなっています。
地方国公立大は、地場産業の求人が大半だけに、この不況は深刻と言えるでしょう。

就職のことについて触れる以上、専門学校出身の生徒さんの件も調べてみました。確かに、4年制大学以上の求人人気はあるようです。しかし、これも長い目で見ると、将来性に疑問符を付けざるを得ません。ある企業担当者に本音を聞いてみると、「要するに昇給、出世等はほとんど考えられない。企業から見たら都合の良い現場担当職員だよ。だからよく辞めて行く。それは企業にとって都合がいいことも多い。昇給・出世はまず考えられない人材だからね」と。やはり企業は極めてドライな考え方をしているようです。

2009年度のセンター試験のデータが出揃いました。去年に比べて難化し平均点もdownしています。ただ徳島の場合900点換算の800点以上が43名と香川の57名に接近してきました。全国順位はまだ低い位置にありますが、本県では、上下の開きがさらに大きくなったということでしょう。現役の平均点と浪人の平均点の差が、推計で約90点も開いています。中四国の私大の中には、募集が壊滅的な打撃を被っているところもあるようです。特に、私大の薬学部に於いては、目も当てられない惨状を呈している学校もあります。5月末の段階で定員の50%を切れば、補助金は出ません。一体どうなることでしょうか。

今年の私学受験者の出願者数において、完全な二極化が同じようなランクの大学にも見られました。
同志社の上昇、立命の大幅減は何を意味するのでしょうか。安易な推薦やAO、何が何だかわからない入試方法で安直に生徒獲得を目指してきた立命の凋落と言っても良いでしょう。立命館大を一人の生徒が受験する場合、何と20数回受験チャンスがあるようです。こんな馬鹿げた方法で、推薦で、できるだけ集め、残りを一般受験で線引きするやり方で、いかにも難易度を高く見せかけてきたツケがまわってきたのでしょう。関東でも推薦枠を多数設けている早稲田と、あくまでブランドに固執する慶應の差が徐々に開きつつあります。しかしこんな議論はまだ救いがあります。中四国の私大の惨状を見るとき、何と表現したらよいのかわかりません。